本日の新聞でなかなかビビットな記事が掲載されていました。

嫡出否認できるのは夫だけというのは、憲法によって保障されている男女平等原則に反するため、国に対して来月にでも損害賠償請求を行うというのです。

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事案の内容をざっくり説明すると、夫のDVから逃げた妻が、離婚成立前に他の男性と子供をもうけて出生届をその男性との子として提出したら、離婚成立していないため、夫の子としなければ受け付けないといわれて、それは受け入れられないと対応したら、子供が無戸籍になってしまった。

無戸籍の子が子供を産んだら、その子供も無戸籍になった。こんなことになったのは、嫡出否認の申し立てが夫からしかできないからだ。

ということです。

さて、嫡出否認ってそもそもなんなんだということですが、結婚していたり、離婚後300日以内に生まれた子供は夫婦間にできた子供=嫡出子と推定されると民法に書いてあります。

仮に他の男性との間に生まれた子供であっても出生届を提出すると夫との間の子供として戸籍に記載されるのです。

この推定を否定するには、原則として子供もしくは母親の住所地の家庭裁判所に、夫が嫡出否認の調停を夫が子供が生まれたのを知ってから1年以内に申し立てる必要があります。

夫がその期間に死亡していたり、病気で事理弁識能力がなかった場合は、親族や成年後見人が申し立てるという例外も認められます。

この調停で、夫婦間で、子どもが夫の子どもではないという合意ができて、家庭裁判所が必要な事実の調査等を行い、その合意が正当であると認めれば合意に従った審判がなされます。

つまり、この調停の申し立ては夫や夫側の人間だけで、妻からはできないのです。

それでは困ったことが起こるというのは前から問題になっていたので、最近では婚姻の解消、取り消し後300日以内に生まれたこの出生の取り扱いについては、産婦人科医の作成した「懐胎時期に関する証明書」が添付され、証明書の記載から推定される懐胎時期の最も早い日が婚姻の解消、取り消し後である場合は、夫を父としない出生の届け出をすることができるとしています。

全国一律の取り扱いではないので、最寄りの戸籍役場に問い合わせる必要がありますが。

では、嫡出否認しか無戸籍を回避する手段はないのかというと、そうでもありません。

妻からできる方法としては親子関係不存在確認の訴えを起こすことができます。

そこでは、夫婦の実態がないことを証明する必要があります。

ではなぜ、本件で問題になった当事者はそのような手段をとらず、無戸籍のままでいたかというと、親子関係不存在の確認手続きの中で、裁判官から夫の話を聞く必要があるといわれてしまったためと言っています。

DVから逃げてきたくらいですから、夫とコンタクトをとるのは本当に怖くて、嫌だったのでしょう。

その結果として子供の無戸籍が続いてしまったのですね。

この手の問題で憲法判断となるのは初めてなので、今後の動向について大注目です。

 

長谷総合調査事務所では、DV被害からの脱却のための相談はもちろんのこと、その先の幸せな生活のサポートもさせていただければと思っております。些細なことでも結構です。いつでもお気軽にご相談ください。