東京地方裁判所で興味深い判決が出されました。

結論からざっくりいうと、3000万円の遺産のある人が亡くなって、遺言で家政婦に全部あげるとしていた事件で、娘がそんな遺言無効だと言って争ったものの、遺言は有効で家政婦が相続できるというものです。

7546b4bc14a51f2358ea3499ecc2818c_s

この判決には様々な背景があります。

まず、娘は故人が元気な時にたびたびお金を無心していたことがあります。故人は「これが最後だ」といって念書までとって3000万円を渡していた事実があります。

これは法律的には生前贈与といいます。

さて、ここでちょっと相続に詳しい人は「いくら遺言があっても遺留分減殺請求権があるから家政婦は全額はもらえないはずだ」と疑問に思うかもしれません。

しかしながら、遺留分減殺請求権は生前贈与を受けた範囲で相殺されます。

今回は相続人は娘二人だけで、相続額3000万円のため、遺留分減殺請求権は娘一人につき750万円ということになり、遺留分減殺請求権を行使できない訳です。

この家政婦は中学卒業後50年もの長期間住み込みで働き、個人が病気の時には無償で介護を申し出ていたそうです。

一方娘たちはお金を無心するばかりで、年老いた母の面倒を看るわけでもなく自由気ままに生きていたようです。

裁判の中では娘たちは「遺産が少なすぎる!家政婦が使い込んだに違いない!返して!」と主張していたそうです。

そんな娘に裁判官は「そんな推測できない」「娘側の主張は自己の行いを省みないものだ」と批判したのです。

血のつながった親子でも、遺産を相続できないこともありますから、日ごろから自身の行いを考えるきっかけになればと思います。

 

長谷総合調査事務所では、親族の身辺調査についてのご相談をいつでもお受けしております。体調のすぐれない高齢の親御さんにすり寄ってくる不審人物はいませんか?籍を入れてからでは遅いです。まずはご相談を!!